当センターで研修すれば学べること~緊急気道管理コース・MKSAPについて~

こんにちは。当センター総合内科後期研修を卒業し、現在は呼吸器内科医として修業中の永井達也です。本日は当センターで学習可能な2つのコースについてご紹介したいと思います。

はじめに当センター総合内科研修では、ホスピタリストの育成を目指し、内科系入院全てを担当することになります。急性心不全や間質性肺炎、肝硬変や透析症例など、本当に多種多様な疾患のマネージメントを理解しておかなければなりません。また、年間8000台以上の救急車を受け入れる超急性期病院であり、急変対応、特にCriticalな気道管理に熟達しておかなければなりません。

そんな事急に言われても・・・。そんな気持ちになるかもしれません。でも大丈夫!!そんな方のために、緊急気道管理コースによるシミュレーション、MKSAPを使用した勉強が当センターではできるのです。

緊急気道管理コースについて

気道管理は、いつどこで遭遇するか分からない緊急事態です。緊急気道管理コースは緊急気道管理を適切に対応出来る様になる事を目的としたコースです。当センターの後期研修医には、「全員に」参加してもらっています。年に3回開催されており、多くは当センターすぐ近くのシュミレーションセンターで受講可能です。座学を約2時間、ハンズオン1.5時間、症例検討約1時間、シミュレーション約1時間で体系的に緊急気道管理を学習します。コースを通してビデオ喉頭鏡やファイバースコープなど様々なデバイスを体験する事も出来ます。

参加した後期研修医からは、
・レクチャー→症例検討→シミュレーションの流れで知識が身に付いていくことが実感できた
・1日のコースでの学びとしてはこれ以上ない素晴らしいコースだと感じた
・気道管理の臨場感がシミュレーションでも十分あり、緊張感を持つことができた
といった感想が聞かれています。当センターでは後期研修医1年目を対象に、無料で受講を行っています。受講後には気道管理に慌てず対応できること間違いありません。

MKSAPについて

MKSAP(Medical Knowledge Self -assessment Program)はACP(American College of Physicians)が3年毎に発行する、自己学習用の内科学テキストと問題集です。1967年に初版が発行されて以来、米国での内科専門医試験への対策のみならず,各領域における知識を確認・アップデートするための最良の教材として、世界中で利用されるベストセラーです。書籍と電子版の2種類があり、ACPのホームページから購入可能で、当センターでは、後期研修医は何と病院負担にて購入可能なのです。ここで問題の一例を覗いてみましょう。

運動プログラムの参加前に診察に訪れた60歳弱の女性。仕事はデスクワーク主体で自宅でも座っていることが多い。軽労作の家事であれば胸部症状や呼吸苦を伴うことはない。 高血圧と2型糖尿病の既往があり、リシノプリル、アスピリン、メトホルミンを 内服している。BP 134/70 BMI 28 身体所見では特記事項なし。HbA1c 7.2% T-chol 196 mg/dL LDL-C 106 mg/dL HDL-C 50 mg/dL TG 200 mg/dL CAD riskと運動習慣に乏しいことから、運動プログラム参加前に運動負荷心電図を行うこととなった。その結果、心電図異常を認めたことからCAGが施行され、LAD midに80%の狭窄を認めた。その他狭窄なし。EF 59%
本症例において、心筋梗塞のリスクを最も減少させるものを選べ。
A スタチン内服を追加する、 B アスピリンにクロピドグレルを追加する、 C CABG D PCI”

こういった問題 (ちなみに回答はA) が循環器内科のみならず、呼吸器内科・消化器内科・血液内科・総合内科など各分野ごとに収録されており、その時のエビデンスに基づいた知識をUp dateできます。当センターでは積極的に使用することで最新の知識を身に着け、またIM-ITE(こちらも無料で受験可能です)という米国内科医向けの試験を同じ立場で受験することができ、自分の立ち位置も確認可能です。

今回は当センター研修で学べる2つの学習を紹介しました。この他にも、当センターでは総合内科をはじめとした各科で学会でのセッション、JHospitalist Networkセミナー(JHNセミナー)など、外部向けセミナー・講習会を多数開催しています。こういったイベントへの参加もしやすい環境ですし、場合によってはセミナーの発表者、運営側としても参加できます。少しでも興味が湧いた方は、是非当センターへ見学に来てください。

文責:永井達也

◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科

メニュー