消化器内科部長から新年度のご挨拶〜Withコロナでも安心していただける検査・治療体制〜

いつも東京ベイ・浦安市川医療センター消化器内科のページをご覧いただき、誠にありがとうございます。コロナもなかなか先が見えず、残念ながらもうしばらくこのコロナ禍は続きそうです。一日も早く以前の生活が戻るよう切に願っております。新年度となり、私たちも気持ちを新たにがんばっていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

新型コロナウィルス感染症が日本で広がって2年以上が経過しましたが、この間病院受診や健診を控えたためにがんの発見が遅れるという事例が報告されています。そういった場合に限らず「もう少し早くみつかっていれば・・・」という例は残念ながらよく経験します。特に多いのは大腸がん、次いで胃がん、すい臓がんといった感じです。

どこのがんでも初期に症状が出ることはまずありませんので、大事なのは定期的な検診を受けて早期発見することにつきます。何か症状があれば早めに病院を受診した方がいいのは言うまでもありません。

コロナが怖いから病院に行きたくない、というお気持ちはよく分かります。私たちは万全の感染対策を行っており、内視鏡を介した感染は一度も経験していません。安心して検査を受けていただければと思います。感染対策についての詳細は昨年ホームページに紹介していますので、是非一度ご覧ください。

さて、がんの早期発見の話に戻ります。がん検診については当科のホームページでも以前ご紹介しておりますので、あわせてお読みください。胃がんは検診も以前から行われており、浦安市・市川市でも4年前から内視鏡検診が始まりました。実際に検診が受けられる一次医療機関については各市のホームページでご確認ください。

当院は浦安市の内視鏡検診の二次機関として、一次医療機関で撮影された内視鏡写真を再度チェックする二次読影と呼ばれる業務を担当しております。実際バリウムの検診ではなかなか見つかりにくかった早期胃がんも、内視鏡検診で見つかってきています。こういった機会を是非ご利用ください。

以前受けた胃カメラが苦しかったので二度と受けたくない、あるいは胃カメラを受けたことがないけど怖いから受けたくない、という方は是非一度当院にご相談ください。当院では鼻からの胃カメラや眠り薬を使って楽に検査を受けられる体制を整えており、患者さんからもご好評をいただいております。

大腸がんについては、便検査で潜血反応をみる方法が検診としては一般的かと思います。これは痛くもかゆくもないので是非積極的にお受けになることをおすすめします。検査で陽性、すなわち血液が混じっていると判定されたら精密検査として大腸カメラということになりますが、大腸カメラも当院では必要に応じて痛み止めや眠り薬を使い、楽に受けられる体制を整えておりますので、ご安心いただければと思います。

問題なのはすい臓がんで、これは公的な検診体制はありません。自分の身は自分で守るしかないわけなのですが、じゃあ何をすればよいのでしょうか。すい臓がんは早期発見がきわめて難しく、見つかったときには進行していることがほとんどです。なおかつ、進行したすい臓がんは治療予後がよくありません。

治療予後にはよく5年生存率といって、がんになって5年生きている率を比較されることが多いのですが、治療法の進歩で昔にくらべてよくなっているとはいっても、その治療成績は胃がん大腸がんに比べると残念ながら悪いのが現状です。

具体的には進行した3期、4期のすい臓がんでは、5年後まで生きられるのは5人に1人以下です。一方で、早期に小さい段階で見つかった場合は5年生存率は70%近くまで改善しますので、いかに小さいうちに発見できるかがきわめて重要になります。

早期発見が難しい理由としては、画像検査で見つけにくいということがあげられます。ごく早期のすい臓がんは塊ではなく、すい臓の中の膵液が流れる管の表面に存在しますので、エコーやCTなどの画像でとらえることは極めて困難です。胃や大腸のようにカメラで直接観察することができないためです。

しかし、当院にもご指導に来ていただいている真口宏介先生をはじめとするすい臓のエキスパートの先生方のご努力により、そういった早期のすい臓がんの周りの間接的な変化が明らかとなってきました。そのような変化であれば、エコーやCT、MRIといった検査で見つけることができます。

そういった変化がみられた場合に、超音波内視鏡という検査(こちらも過去に記事があります)で観察し、特殊な方法で膵液を採取してその中のがん細胞を検出する方法により、ごく初期のすい臓がんも見つかるようになってきました。当院でもその方法によって早期のすい臓がんを発見することに成功しています。

すなわち、すい臓がんの早期発見のために自分でできることは、検診などでおなかのエコーの検査を受けるということになります。お酒を飲まれる方、たばこを吸われる方、ご家族にすい臓がんの方がいらっしゃる方、糖尿病のある方は是非積極的にエコー検査を受けてください。他のご病気等で病院にかかられている方は主治医の先生にご相談ください。もちろん直接当科を受診いただいてもかまいません。

消化器内科では、食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・肝臓・胆のう・すい臓の検査や治療を行っています。エコー、CT、MRIなどの画像検査やお薬による治療の他、内視鏡(カメラ)を使った検査や治療を行うのが消化器内科の大きな特徴であり、私たちが特に力を入れている分野になります。

上部内視鏡(胃カメラ)と下部内視鏡 (大腸カメラ)を用いた検査・治療をはじめとして、ERCP(胆のう・すい臓の内視鏡)や小腸内視鏡、超音波内視鏡、IVR科(診療放射線科)との連携による治療など様々な検査・治療を行っています。それぞれの内容については過去の記事にも詳しく解説していますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

消化器内科部長 内科系診療部統括責任者 本村廉明

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