ザ・プロフェッショナル〜胆嚢に届け!僕たちの熱い思い〜【内視鏡的逆行性胆嚢ドレナージ(ERGBD)】

こんにちは!以前(2019/1/25)の記事で、「ERCPでの総胆管結石治療」についてお話しましたが、本日は総胆管結石以外に対してのERCPを用いた治療についてお話します。

■「胃が痛い!」、実は胃以外が原因のことも・・・

消化器内科の外来では、お困りの症状として「腹痛」を訴えられる方は多いです。症状の出方や程度、どんな風に痛むのか、や、診察の所見も合わせて、必要な検査を検討し、原因を突き止めていくわけですが、時折「食後にみぞおちのあたりが痛い!」ということで、胃潰瘍でもあるのかしら…と胃カメラをしてみても、胃には何もない…という方がいらっしゃいます。
では、痛みの原因はなんなのか…そんな方の中に、「胆石(胆嚢結石)」が悪さをしていることがあります。

■胆嚢炎の治療

肝臓で作られる胆汁が胆管を通って、十二指腸の乳頭から腸管内に出てくるわけですが、その胆汁を蓄える袋のような臓器が「胆嚢」です。「胆嚢」は胆管と「胆嚢管」でつながっていて、食事を取ると収縮し、胆汁を胆管に送り出す働きをします。

そんな「胆嚢」の中に石が出来たものを「胆石」といいます。
「胆石」があるだけでは特に悪さをしないこともありますが、胆嚢が収縮した拍子に胆石が「胆嚢管」につっかえて、はまり込んでしまうと、胆嚢の中に溜まった胆汁は行き場をなくし、胆嚢の中の圧が上がってお腹が痛くなります。これを「胆石発作」と言います。

「胆嚢管」につっかえた胆石が外れると痛みは楽になりますが、はまり込んで外れないと、感染が起こったり、胆嚢に炎症が起きて「胆嚢炎」という状態になります。
根本的な治療としては外科的に胆嚢を取ってしまう「胆嚢摘出術」が選択されますが、ご高齢であったり、他に重症の基礎疾患があったりして、外科的手術がなかなか難しい場合もあります。

そんな時には、さしあたってパンパンに張っている胆嚢を減圧するために、体の外から胆嚢を刺して、溜まっている胆汁を抜くことがあります(PTGBDという処置です)。ただ、体の外から太い針を刺していくのは意外と怖いものですし、刺した後、しばらく胆汁を貯めるバッグをつけておくのも鬱陶しいものです。

前置きが長くなりましたが、それ以外の手段としてERCPを応用したERGBD(Endoscopic retrograde gallbladder drainage)という手技があります。

総胆管にERBDチューブを残して胆管内のつまりを解除するのが普段の胆管炎の治療ですが、ERGBDでは、そこからさらに進んで、胆嚢管の中にガイドワイヤーを進め、胆嚢の中にチューブの先端を置くことで胆嚢内のドレナージを図ります。

総胆管の中でガイドワイヤーの細かい操作をして胆嚢管を探り当て、曲がりくねった管を通って胆嚢の中まで進めていくのは至難の技で、それをいつも何食わぬ顔でやってのける本村部長の匠の技を、いつも我々スタッフは尊敬の眼差しで見つめています。

ただし、胆嚢と胆管を繋ぐ胆嚢管に石がはまり込んでいたり、管が浮腫んで狭くなっている場合は、ガイドワイヤーの操作に難渋することはあり、その場合、PTGBD以外ではEUSを用いて胃と胆嚢を繋いで内瘻化するEUS-GBD(EUS-guided gallbladder drainage)などが選択されることもあります。

例えば、他疾患で入院中の高齢の患者さんが、胆嚢炎を併発してしまって、手術は難しそうだけれども、腹痛の訴えは持続していて、PTGBD以外に何か治療の選択肢はないか…と悩まれているような場合、力になれるかもしれません。同処置が可能な近隣の医療機関(浦安近辺にお住いの方は当センター)に一度ご相談されてください。

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