みなさんこんにちは。突然ですが、胃カメラ、大腸カメラって聞くとどういった印象をお持ちでしょうか?きつい?つらい?痛い?できるなら楽に受けたいものですよね。当センターの消化器内科では昨年9月より患者のみなさんにより快適に検査を受けて頂くべく検査方法の見直しを行ったので、もしかしたら今までよりも楽に検査を受けて頂けるかもしれません。
内視鏡の方法
当センターで検査を受けて頂く場合、大きく分けると、①薬を使わない状態での検査、②痛み止めを使っての検査、③鎮静薬を使っての検査があります。
人間ドックで検査を受ける場合や、検査当日に乗り物の運転予定がある場合は、主に薬を使わない状態で検査受けて頂きます。痛み止めを使っての検査は、痛みが出やすい大腸カメラを受けて頂く際に主に使用します。鎮静薬に関しては胃カメラを受けて頂く際や大腸カメラの痛みが強い際に使用します。
大腸カメラで初めから鎮静薬を使わない理由としては、検査の特性上体の向きを横にしてもらったり、仰向けになったりと変える必要があり、その際に患者さんの協力が必要になるためです。
鎮静薬を使うことのメリット、デメリット
快適に検査を受けて頂くために鎮静薬を使いますが、その名前から眠って検査を受けるための薬というイメージもあるかと思います。実際には医師が鎮静薬を使用する際に期待する効果には次のような段階があります。
①目は開いているがボーっとしていて不安は軽減されている(浅鎮静)②ウトウト~眠っている状態だが軽い刺激で起きる(中等度鎮静)③眠っていて強く刺激しないと起きない(深鎮静)④刺激しても起きない(全身麻酔)。検査の際は②くらいの状態で受けて頂くのが理想の状態です。先ほども述べた通り、薬は人によって効きが違うため、薬の種類や使用量の調整を行います。
でもウトウトするだけじゃなく、薬を増やせば眠れるんだったらいっぱい薬を使ってしっかり眠った状態にしてくれればいいじゃない?って思う方もおられると思います。実は鎮静薬には薬の量が増えることで起こってくるデメリット(副作用)があります。副作用として代表的なものは血圧が低くなったり、呼吸が浅くなったりするものです。呼吸が浅くなるだけでなく、止まってしまうこともあるので非常に注意が必要です。
完全に意識が落ちるまでに必要な薬の量と副作用が起きる薬の量は人によって様々です。意識がなくなるまでの薬の量と副作用が起きる薬の量の差が大きい人であればいいですが、そうでない人もいます。意識がなくなったとたん呼吸も止まってしまって、検査を受けに来たはずが命に関わる状態になってしまったら元も子もないですよね。そのため必ずしも患者さん全員が意識がない状態で検査が受けられるとは限らないのも実状です。
より快適に検査を受けて頂くために

先にも述べた通り、鎮静薬は人によって効きやすさに違いがあります。例えばアルコールが強い人や睡眠薬のような薬を飲んでいる人は薬の種類によって、検査の際に使用する薬と成分が似ているため、効きが悪いことがあります。当センターの消化器内科では、救急を専門とした、血圧や脈拍、呼吸状態などの全身の管理が可能な医師も在籍していることから、昨年9月より使用できる鎮静薬の種類が増えました。
それによって今まで検査で使用していた薬では効きが悪いことが事前に予想される人に関しては、鎮静薬の種類を変更して検査することが可能になりました。もちろん種類を変えることだけでは、必ずしも完璧というわけではないですが、選択肢が増えたことでより快適に検査受けて頂けると自負しています。
当センターでは内視鏡に携わる看護師や医師で薬の使用方法の勉強をし、より良い医療を提供できるよう日々邁進しています。いままで胃カメラ、大腸カメラを受けてつらかったという方がいれば一度当センターでの検査を受けてみませんか?