Withコロナでも安心して検査・治療を受けていただくために〜消化器内科から患者さんへ〜

東京ベイ・浦安市川医療センター消化器内科のページをご覧いただきありがとうございます。昨年から今年にかけてはわが国のみならず全世界にとって大変厳しい試練の時期でした。今後事態が好転していくことを切に願っております。新年となり、私たちも気持ちを新たにがんばっていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

新型コロナウイルス感染症の蔓延で、医療における安全管理についてあらためて考えさせられる機会となりました。内視鏡の世界においても、昨年の春頃は不要不急の検査処置は延期しましょう、という風潮が主流でした。検査を受ける皆様も不安で予定を延期された方がたくさんいらっしゃったと思います。しかし、これだけ事態が長引きますといつまでも延期するわけにもいかず、こういった状況のなかでいかに安全に検査を受けていただくか、ということを考えなければなりません。皆さまに安心して検査を受けていただけるよう、今回は私たちのホームグラウンドである内視鏡室の安全管理についてご紹介いたします。

内視鏡室の医療安全は、一般的には下記の4つに大別されます。

①検査のために使用するお薬(のどの麻酔,眠り薬,痛み止め,胃や腸の動きを抑えるお薬等)
②内視鏡(カメラ)と周辺機器
③検査治療手技
④スタッフの安全に関わるもの

コロナに関係したところでは②と④になります。患者さんが内視鏡室に入るにあたっては、そもそも病院の入口や受付で健康チェックを行っていますので、少しでも感染の疑いのある方は入室できない仕組みになっています。これは私たちスタッフも同様で、症状のある職員は出勤しない決まりになっています。

②について少し詳しく説明します。組織を採取して調べるための鉗子などの道具は現在ほとんど使い捨てのものですが、カメラは洗浄と消毒が必須です。当センターでは内視鏡学会のガイドラインに従い最高水準の洗浄と消毒を定型通り行っています。この作業を担当するのは専門の熟練スタッフで、慣れていないスタッフが担当することはありません。ですので、万が一コロナに限らず何らかの菌やウイルスが検査中にカメラに付着したとしても、次の人に使うときには完全に無菌の状態になっています。また内視鏡本体を含め様々な周辺機器の管理も医療安全には不可欠です。内視鏡室には医療機器の専門家である医療工学技士が常駐し、常にベストの状態を保っています。検査の部屋は4室ありますが、全て仕切られた個室となっています。もちろん換気は万全です。検査後には毎回ベッドや内視鏡本体(カメラをつなぐ機械本体)、モニターなどを丁寧に消毒しています。ベッドには毎回新品の水を通さない紙シーツをかけていて、患者さんが直接ベッドに触れることはありません。

④については、スタッフの安全=患者さんの安全、と考えています。万が一にもスタッフを介して感染を広げることのないように、手指消毒の徹底と、マスク着用はもちろんのこと、検査に携わるスタッフは個人防護具(マスク,手袋,ヘアキャップ,フェイスガードもしくはゴーグル,エプロンやガウン)の着用を必ず行い、検査ごとに新しいものへ替えています。

これらのことは、コロナが流行ったから慌ててやっている訳ではなく、それ以前からずっと私たちが気を付けて取り組んできたことです。年間約8000件の内視鏡検査治療を行う中、上記のどれひとつ欠けることが無いよう、今後も安全な検査処置を心がけて参りますので、どうぞ安心してカメラを受けてください。

消化器内科では、食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・肝臓・胆のう・すい臓の検査や治療を行っています。エコー,CT,MRIなどの画像検査やお薬による治療の他、内視鏡(カメラ)を使った検査や治療を行うのが消化器内科の大きな特徴であり、私たちが特に力を入れている分野になります。上部内視鏡(胃カメラ)と下部内視鏡 (大腸カメラ)を用いた検査・治療をはじめとして、ERCP(胆のう・すい臓の内視鏡)や小腸内視鏡、超音波内視鏡、IVR科(診療放射線科)との連携による治療など様々な検査・治療を行っています。

それぞれの内容については過去の記事にも詳しく解説していますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

消化器内科部長 内科系診療部統括責任者 本村廉明

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