消化器内科web記事をご覧の皆さま、こんにちは。消化器内科フェローの高崎です。昨年の話題で恐縮ですが、今回は昨年にハワイで開催された日米合同膵臓学会の報告をさせていただきます。
日米膵臓学会 50周年、節目の年〜浦安から世界への挑戦〜
2019年は日米の膵臓学会がともに50周年を迎える、節目の年となりました。それにともなって、両学会がこれを記念し、ハワイ-マウイ島にて合同学会を開催する運びとなりました。ちょうど日本膵臓学会が演題募集をしていた頃、私たちは慢性膵炎を背景とした膵嚢胞内の結石嵌頓による嚢胞感染の一例(A Case Report: Pancreatic Cyst Infection Caused by Impacted Intra-cystic Stone in Chronic Pancreatitis.)を経験していました。国際誌においても同様の症例は過去に報告がなく、本症例を合同学会の演題として登録することとしました。学術的探究心に加え、“ハワイでの学会発表”という響きにモチベーションは最高潮で、非常に順調に準備は進み、幸い本症例がアクセプトされ、無事合同学会への参加が叶うこととなりました。
リゾートホテルでリラックス!ひと味違う、ハワイの学会。

学会は11月6日-11月9日の4日間に渡って、ハワイのマウイ島というところで行われました。ハワイは言わずとしれた世界で最も人気のあるリゾート地の一つです。日本人観光客が多く訪れるホノルルがあるのはオアフ島という島ですが、オアフ島はハワイ諸島の中でも3番目の大きさで、実際には大小さまざまな島から形成されます。マウイ島は別称として峡谷の島とも呼ばれ、オアフ島よりも大きく、自然豊かな島です。日本からは直行便がないため、ホノルル経由で小型飛行機に乗り換えていきます(帰りにホノルルに3日程度滞在し、旅行雑誌のようなベタな観光も十分楽しむことができました!)。
世界にときめき、夢に羽ばたく〜the 50th annual meeting of the JPS and APAの経験を東京ベイに還元するために…〜

学会会場はマウイ島のホテルで行われました。日本の学会では基本的にスーツで参加する方が多いですが、米国の学会は、よりカジュアルな服装で参加する方も多く、家族連れでの滞在の方も珍しくありません。僕自身も、学会での症例報告以外は基本的にフリータイムなので、講演の聴講や、症例報告および臨床研究の発表から新しい知見を得たりすることができ、非常に勉強になりました。特に米国の有名病院は、若手医師を中心に、いくつも大規模臨床研究を発表しており、同年代の医師が国際的に活躍している姿を見ることは、若手消化器内科医の一人として非常に良い刺激を受けました。学会会場のランチタイムではビュッフェスタイルの食事、夜のレセプションパーティーではワインなどのアルコールも供され、終始リラックスした雰囲気で、学びを深め海外の医師たちとの交流を楽しむことができました。
ハワイにて開催されたthe 50th annual meeting of the JPS and APAの4日間は、日米における膵臓領域臨床分野でのトップランナー達が集い、日本の消化器内科医の一人として国を超えた議論に参加できたことは大きな財産になりました。若手医師にとって、国際学会に参加することは、臨床医として研究者として自身のモチベーションを高め、さらなるステップアップを目指すためにも非常に良い機会です。日々の臨床における疑問に真剣に取り組み、それを学会や論文発表などでアウトプットすることにより、良いサイクルが生まれ、東京ベイ消化器内科に受診される患者さんたちにもより良い治療を行うことができます。
今後も当科ではスタッフもフェローも積極的に国内外のプレゼンスを高め、当センターに来院される地域の皆様に世界標準の消化器病診療として還元できるよう精進していきたいと思います。
