目指せ!エース内視鏡医〜消化器内科フェローシップのご紹介〜

◇フェローとは?研修医とどう違うの?

こんにちは。2018年に入職し、フェローシップ2年目を迎えました、消化器内科フェローの瀬川翔です。今回のWeb通信では少し趣向を変えて私達フェローのことを知って頂こうと思っています。ご覧になっている方はそもそもフェローとはなんぞやとお思いではないでしょうか。フェローとは簡単に言えば専門家のトレーニーのことです。ただし、トレーニーとは言うものの当センターの消化器内科フェローの場合、もともと内科や救急科で後期研修を終えている6年目以上医師が採用の条件になっており、研修医とは異なります。

フェローシップは2-3年のプログラムになっており、私の学年には3人のフェローがいます。指導医とフェローは1対1程度の人数比なので常に指導医の目が届く環境でフィードバックを受けながら、フェロー一人当たり年間1,500件程度の内視鏡検査や治療を経験します。

◇フェローのおしごと

消化器内科フェローの業務の多くを占めるのが内視鏡室での検査や治療です。
フェローはそれぞれトレーニング開始時点でのバックグラウンドが異なるため、消化器内科に所属するまで内視鏡に触れたことがないフェローもいれば、初めからある程度検査ができる状態でスタートするフェローもいます。当センターでは当該手技の経験が少ない場合、練習用の人形から内視鏡を始め、問題なく検査をできるようになったところで、徐々に鎮静下での一般的な上部内視鏡検査、鎮静なしの上部内視鏡検査、より内視鏡操作に習熟してきたところで、上部内視鏡検査より難しい下部内視鏡検査、その後ERCPとレベルに合わせて徐々にSTEP UPしていきます。平行して止血や食道静脈瘤結紮術、ポリペクトミーや粘膜下層剥離術、総胆管結石の採石などの治療内視鏡もできるようになっていきます。

トレーニングに慣れるまで少し時間はかかりましたが、徐々に「どうすれば患者さんにとってより苦痛の少ない検査にできるだろう?」と考え、なるべくたくさんの経験を積みたいと思うようになりました。2年目になると上部内視鏡検査や下部内視鏡検査に関しては主にフェローが中心となって検査を行うようになります。

フェローの仕事は上記の内視鏡業務以外に、消化器内科専門外来や他診療科と協力しながら入院患者の診療などを行います。また他診療科医師やコメディカルスタッフに対して院内レクチャーを行ったり、学術的な活動としては国内外で学会発表をしたり、医学知識の習得と研鑽に努めております。

◇地域医療支援

当センターのフェローは1年のうちに3か月、地域の病院へ診療支援に行く機会があります。昨年度は温泉で有名な群馬県草津の近くにある病院へ支援に行きました。そこでは普段内視鏡室に籠ることの多い私達フェローも自分が地域医療の最前線に立って病棟管理や救急外来での診療を行います。まったく違った環境に身を置くことで、自分のできること、できないことが見えてくる機会になります。また、私自身は昨年度に地域支援の一環として、与那国島に一つしかない診療所で「ドクター・コトー」のような僻地医療に従事する機会もありました。

◇新たなフェローの台頭

2018年は3人だった消化器内科フェローに、2019年から新たに1人が加わりました。仲間が増えることはもちろん嬉しいことですが、それだけでなく、後輩医師に内視鏡を教えることで見えてくるものや、指導を通じて自分の成長を実感することもできます。昔の自分自身を思い出して後輩の成長の早さに驚き、先輩として少しドキドキすることもあります。頼もしい後輩とこれからも日々切磋琢磨しながら業務にあたろうと思います。
みなさま、今後も私達消化器内科フェローをよろしくお願い致します。

◆ 東京ベイ・浦安市川医療センター 消化器内科

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