あけましておめでとうございます。
本年も東京ベイ消化器内科をどうぞよろしくお願い致します。
2021年最初のブログ更新では、昨年末に開催した消化管内視鏡スキルアップ研修(豚の胃を使ったESDトレーニング)についてご報告させていただきます。
ESD(Endoscopic Submucosal Dissection)は、内視鏡的粘膜下層剥離術、すなわち内視鏡で早期癌や大きなポリープを切除する治療のことを言います。当センターでは、実際の患者さんに合併症を起こさず安全に、かつスピーディーに治療が行えるよう、毎年消化器内科フェローを中心にトレーニングを行っています。実際の治療で行う器具を使いながら、豚の胃につけてある印の部分を癌に見立てて削り取っていきます。
本当の患者さんには1回に1個の病変しか治療しませんが、今回は半日かけて20個近くの病変を切除しました!普段は助手ばかりのフェローも術者の練習をしたり、フェロー同士で術者と助手のペアを作ったりと夢中であっという間に時間が過ぎました。日常診療では会話をしながら手技をすることはほとんどありませんが、いつも術者をしている指導医の先生からも、治療をやりながらコツをたくさん教えてもらい、貴重な時間でした。術者をやってみて、「助手と息が合ってないとこんなにやりにくいんだぞ!ほら息を合わせて!」と活を入れられる場面もしばしば・・・。
胃を直接手で触ったり、術後の病変を間近で直接見ることはないので、練習後に残った胃を触ってみて、「こんなに胃壁が薄くなっちゃうんだ!」と驚きました。どのくらいの深くまで切っても安全なのか、逆にどこまで切りこむと胃の壁に穴が空いてしまうのか実感することもできて、今後の内視鏡治療に大いに役立つ一日でした。上手なESDが出来るよう、これからも日々精進しようと気持ちを新たにしたフェロー一同でした。