当センターの内視鏡室では、上部消化管内視鏡、下部消化管内視鏡、気管支鏡とさまざまな検査、食道、胃、大腸の内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術、ポリペクトミー、止血術、ERCPなどさまざまな治療を行っています。近年、東京ベイではEUS(超音波内視鏡)も導入されEUSを用いた消化器病の診断、処置も行えるようになりました。
東京ベイの内視鏡室は、いろいろ詰まった玉手箱!
内視鏡室は通常の検査台が3台でそれぞれ個室になっており、患者さんがリラックスできる静かな環境で内視鏡検査を受けていただけます。
透視室も併設しており、ERCPやステント挿入等、透視が必要な検査はそこで行っています。ダブルバルーン内視鏡導入により胃切除後の患者さんに対してのERCPも可能となりました。
救急集中治療科と連携し、消化管出血や急性閉塞性胆管炎など、緊急の処置を必要とする患者さんの受け入れも積極的に行っています。
当センターの内視鏡検査室は、スタッフにとって必要な物がすぐ手に届くよう配置が工夫されています。精密な検査、高度な治療、緊急止血を行えるよう、いろいろな物が詰まった内視鏡室です。


「思ったより苦しくなかった…!」〜そんな驚きの笑顔を目指して〜
消化管内視鏡検査は多くの人に身近な検査ですが、患者さんの中には「えっ?胃カメラ?口の中に管入れるの?こわいなぁ」など不安を抱く方も多くいらっしゃいます。胃カメラ検査に対して、痛い、苦しい、気持ち悪い、そんな不安を抱えている患者さん、どうぞご安心ください。当センターでは、苦痛のない内視鏡検査を心掛けており、希望により経鼻内視鏡や、麻酔を使用して、眠った状態で内視鏡検査を受けることができます。
経鼻内視鏡は、口から入れる胃カメラより細いため、内視鏡が喉を通過するときの「オエッ」となる辛さが軽減されます。また、鼻から挿入なので会話ができます。
鎮静薬を用いての上部内視鏡検査では、鎮静薬(ミタゾラム)を点滴ラインから注射投与し、胃カメラを行います。患者さんによっては、眠っているうちに検査が終了していて、「目が覚めたらもう検査が終わっていた」とおっしゃる方もいます。
大腸カメラでも鎮痛薬を用いて痛みを軽減して検査を行いますのでご安心ください。
*鎮静鎮痛を使用される方には、ご自分でのお車の運転はお断りしております。
胃カメラ・大腸カメラによる精密検査を、怖いといって躊躇される方も多いと思います。不安や迷いがあるときは、当日でもお気軽にご相談ください。

ニフレックはもう古い!これからは、モビプレップの時代…!
大腸内視鏡検査を行うためには、まず腸管内の便をきれいに洗い流しておくことが必要であり、そのためには検査前に『腸管洗浄剤』をのまなくてはなりません。当センターでは従来用いていた「ニフレック」にかわり新しい洗浄剤「モビプレップ」を採用しました。「ニフレック」は最低2リットル以上飲んでいただく必要がありましたが、「モビプレップ」は従来の腸管洗浄剤と同じ成分をより濃い濃度で配合しているため、排便状態がよければ「モビプレップ」は1リットル、その後お口直しをしていただく感覚で水・お茶0.5リットル飲んでいただくことで十分となり、ずいぶん楽にはなりました。
腸管洗浄剤は自宅で内服していただきますが、自宅での服用に不安がある方は大腸カメラ前処置室をご利用いただけます。お手洗いは前処置室のすぐに隣にあります。麻酔を使った検査を行ったあとはリカバリー室に車いすで移動して、1時間ほど休んでいただきます。看護師から適宜お声をかけさせていただきます。



早期に発見されたがんは、お腹を切らずにカメラによる治療も出来るかもしれません。外科手術に比べれば体の負担は少なく、その後の生活の質が下がることもありません。
早期病変を見逃さないよう最新の内視鏡システムを導入しています。内視鏡スコープもたくさんの種類があり検査を受ける方が癌リスクや病態により、それぞれのスコープを使い分けています。さまざまなことを考慮して患者さんの負担を減らし早期発見に努めております。
また、内視鏡自動洗浄機を3台導入し検査ごとに手洗い洗浄を加え、自動洗浄にて完全消毒して次の患者さんに使用してあります。


洗浄消毒により内視鏡を介して感染する交差感染を防いでおります。ますます高度に発展する検査処置、治療に対して安全でかつ患者さんにご負担の少ない内視鏡を目指して当センター内視鏡スタッフ一同レベルアップを図っていきたいと思っております。検査を受ける前の不安や恐怖心、検査中の苦痛など受ける方の立場にたって介助しています。
日々進化する医療レベルに伴い、私たちも各種研修、勉強会、学会などに参加し、個々人の資質をアップさせるよう努めており、安心して安全に検査が受けられる環境づくりに励んでおります。

