肺高血圧はよくなりますか?
母が数年前に心不全で大きい病院に搬送され、大動脈弁狭窄症と、肺高血圧と診断され血圧の薬や利尿剤を飲んで経過観察しています。
最近、少し歩いただけで息切れをしています。
肺高血圧がだんだんと悪くなっているそうで、本屋で調べましたが素人にはよくわからず恐ろしいことが書いてあり、不安です。
治療をすれば良くなる病気なのでしょうか?
[回答]
大動脈弁狭窄症と肺高血圧症は必ずしも合併しやすい病気ではありません。お母様は少し歩いただけで息切れされています。この場合、何が息切れさせているのか、そこがポイントです。つまり大動脈弁狭窄症と肺高血圧症、どちらが悪化したのかを見極める必要があります。さらに心機能が低下したかどうかも重要な情報です。
大動脈弁狭窄症は、心臓の出口の弁がうまく開かなくなる病気です。その結果、心臓に負担がかかり、心臓は肥大し、心機能が低下し、運動時に左心室の圧が上昇しやすくなり息切れが起こります。この疾患は、大動脈弁を人工弁に取り替える手術(人工弁置換術)で、症状が劇的に改善することが多いことが特徴です。
肺高血圧症は、ご心配の通り、これまでは大変怖い病気でした。しかし最近では、いくつかの新しいお薬が使えるようになり、それらの薬の使い方がよくわかってきました。その結果、以前に比べて遥かにたくさんの患者さんが救われています。病気の原因と重症度を詳しく評価する必要があります。
まず病院で、これらの病気についてよく説明してもらいましょう。それから治療法を一緒に考えましょう。お母様の症状が少しでも良くなるようにお祈り申し上げます。