救急集中治療科(救急外来部門)専門研修プログラム紹介

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救急後期研修の特徴

ER型救急として1次から3次までの患者を受け入れています。毎年9,000名程度救急搬送患者を診療しています。また、総患者数は約30,000名です。2019年度は救急車9,749台、総患者数27,336名です。変則3交代制で勤務を行い、各勤務帯の診療を経験する事により時間帯による疾患の違いを体験できます。もちろん季節を感じながらシーズンごとに特異的な疾患も数多く経験できます。24時間救急専従スタッフがおり、診療に際しては全例をプレゼンテーションし、指導を受ける事が可能です。実際のローテーションでは以下にある日本専門医機構専門医制度に沿った救急到達目標を到達する事を目的として研修を行い、知識技術だけでなくプロフェッショナリズムやチーム医療など救急医として欠かせない能力を確実に獲得するためのプログラムを策定しております。2020年度は救急科スタッフ9名(うち女性医師3名)、非常勤3名、救急後期研修医16名(女性医師6名)が在籍しています。

プログラム概要・到達目標

週間スケジュール/教育カンファレンス

勤務時間、休日は事前に救急スタッフと相談し決定します。 完全シフト制で、夜勤明けに勤務があることはありません。また、週の労働時間は40時間程度に設定されています(その他カンファレンスや外来研修はあります) 週約2日の休日を確保し、希望の休日が出せます。有給休暇10日間、リフレッシュ休暇3日間、週休を合わせて年2回の長期休暇を取ることができます。 週に1回、救急科カンファレンスを行っています。

症候や疾患のレクチャー

レクチャーは2年間で100テーマを設定しています。メイヨークリニックのレクチャープログラムを参考にしています。これにより臨床の経験に知識の肉付けを行い、最新の知識のアップデートを行います。

症例検討

各自が経験した貴重な症例を振り返りながら議論を進めます。英語のスキルを高めるため月に1回は米国人の医師を招いて英語でのディスカッションを行っております。

ジャーナルクラブ

文献の読み方を学び生涯学習につなげるとともに文献検索法なども学びます。

合同カンファレンス

内科外科だけでなく各科と定期的にコミュニケーションをとることにより知識の共有や風通しのよい関係を構築しております。また、他院の救急科とも定期的に合同カンファレンスを開催し同じ志を持つ仲間と密に連携をとります。

シミュレーション

シミュレーション教育の研修を海外で積んだ指導医が4名おり、質の高いシミュレーション教育を受けられる他、指導方法やシナリオ作成など指導医になることを視野にいれたスキルも学ぶこと可能です。

M&M

重要症例を振り返り、チームとしての完成度を高めていきます。

その他

国内外から多数医師を招聘し講演などを行っております(米国救急医療の大家であるDr. JacodaやHarvardの超音波診断チームのレクチャーを施行しました。その他Mayo Clinicの現役救急医など多数の講師を招聘しております)。幅広い知識と技能の習得が可能です。また、米国救急専門医試験の問題集であるPEERXIにもとりくみます。

Off the job trainingにも力を入れており、3年間でICLSのインストラクターを無理なく取得できる他、BLS、ACLS、JATECの講習には金銭的な補助を行っております。 また、市中病院からも発信できるものがあると考え臨床研究にも力を入れております。本年は海外学会で3演題の発表を行いました。国内学会においても多数の学会にシンポジストとして出席した他、日本救急医学会総会では2年連続後期研修医全員発表、毎年20演題以上を発表しております。そのほとんどが統計解析を交えた研究となっており、統計手法なども学べます。 当然息抜きも必要!!とのことでBBQや屋形船、忘年会新年会、フットサルなども盛んです。


カンファレンスでのハンズオンの様子(REBOA、ECMO、蘇生的開胸術(ERT))

到達目標

日本専門医機構 専門医制度に沿って細かく到達目標を定めています。また、何年次でそれに到達すべきか、して欲しいかを明記しmilestoneの設定もしております。 それと評価方法をまとめたblueprintを作成していますが下記にその中の到達目標を抜粋して示します。

1) 救急科領域専門研修の目標 救急科領域の専門医を目指す専攻医は、3年間の専門研修後には以下の能力を備えた医師となります。(専門研修後の成果)
①様々な傷病、緊急度の救急患者に適切な初期診療を行える。
②複数患者の初期診療に同時に対応でき、優先度を判断できる。
③重症患者への集中治療が行える。
④他の診療科や医療職種と連携・協力し、良好なコミュニケーションのもとで診療を進めることができる。
⑤必要に応じて病院前診療を行える。
⑥病院前救護のメディカルコントロールが行える。
⑦災害医療において、指導的立場を発揮できる。
⑧救急診療に関する教育指導が行える。
⑨救急診療の科学的評価や検証が行える。
⑩プロフェッショナリズムに基づき、最新の標準的知識や技能を継続して修得し、能力を維持できる。
⑪救急患者の受け入れや診療に際して倫理的配慮を行える。
⑫救急患者や救急診療に従事する医療者の安全を確保できる。
以上の知識、技能、態度が備わった救急科専門医が全国に整備され、我が国の救急医療を担えば、病院前から病院内までシームレ標準的医療が、患者の緊急度に応じて迅速かつ安全に供給されます。これによって地域社会にとって不可欠なセーフティーネットが整備されるものとなります。

2) 救急科専門研修の到達目標
専門研修後の成果として掲げた能力を十分に備えるためには、知識・技能、学問的姿勢と医師としての態度など、以下、i~ivを目標とします。

i 専門知識
専攻医は救急科研修カリキュラムに沿って、カリキュラム I からXVまでの領域の専門知識を修得します。知識の要求水準は、研修修了時に単独での診療を可能にすることを基本とするように必修水準と努力水準に分けられます。

ii 専門技能(診察、検査、診断、処置、手術など)
専攻医は救急科研修カリキュラムに沿って、救命処置、診療手順、診断手技、集中治療手技、外科手技などの専門技能を修得する必要があります。また、研修にこれらの技能を独立して実施できるものと、指導医のもとで実施できるものについて広く修得する必要があります。研修カリキュラムの内容は次項に示します。

iii 学問的姿勢
専攻医は科学的思考、課題解決型学習、生涯学習、研究などの技能と態度を修得し、研修期間中に以下に示す学問的姿勢を実践します。
1) 医学、医療の進歩に追随すべく常に自己学習し、新しい知識を修得する。
2) 将来の医療の発展のために基礎研究や臨床研究にも積極的に関わり、カンファレンスに参加してリサーチマインドを涵養する。
3) 常に自分の診療内容を点検し、関連する基礎医学・臨床医学情報を探索し、EBMを実践する。
4) 学会・研究会などに積極的に参加、発表し、論文を執筆する。
5) 外傷登録や心停止登録などの研究に貢献する。

iv 医師としての倫理性と社会性
救急科専門医としての臨床能力(コンピテンシー)には、医師としての基本的診療能力(コアコンピテンシー)と、救急医としての専門知識・技能が含まれます。専攻医は研修期間中に以下のコアコンピテンシーも修得できるように努めます。
1) 患者への接し方に配慮し、患者やメディカルスタッフとのコミュニケーション能力を磨くこと
2) 自立にて、誠実に自律的に医師としての責務を果たし、周囲から信頼されること(プロフェッショナリズム)
3) 診療記録の適確な記載ができること
4) 医の倫理、医療安全等に配慮し、患者中心の医療を実践できること
5) 臨床から学ぶことを通して基礎医学・臨床医学の知識や技能を修得すること
6) チーム医療の一員として行動すること
7) 後輩医師やメディカルスタッフに教育・指導を行うこと

年間カリキュラム(一例)

救急室での救急診療16~20ヶ月/3年

主な実施場所:東京ベイ・浦安市川医療センター
※1 毎年必ず救急外来を4ヶ月以上ローテーションします。

過疎地域での救急診療3ヶ月間/3年

主な実施場所:伊東市民病院、西吾妻福祉病院、千葉中央メディカルセンター、長生病院
※2 各専攻医は3年間で合計3ヶ月、過疎地域での診療を行います。

集中治療部門(外傷研修等も含む)9~11ヶ月/3年

主な実施場所:聖マリアンナ医科大学病院、東京ベイ・浦安市川医療センター
※3 3年間のうち集中治療部門での研修を9ヶ月以上実施します。

プレホスピタルケア原則2~5ヶ月/3年

主な実施場所:君津中央病院、豊見城中央病院
※4 希望により3ヶ月追加でローテーション可能です。

大学病院などで追加の集中治療(外傷も含む)研修 2-5ヶ月/3年

主な実施場所:千葉大学医学部附属病院、東京女子医科大学附属八千代医療センター、都立墨東病院
※5 希望により3ヶ月追加でローテーション可能です。

小児救急の研修 2ヶ月/3年

主な実施場所:都立小児医療センター、成育医療センター

中毒研修、救急車同乗実習など

主な実施場所:中毒情報センター、浦安市消防本部、市川市消防局

外来研修

主な診療科:眼科、皮膚科、耳鼻科、整形外科、小児科

東京ベイ 救急研修プログラム冊子v11

救急研修プログラム冊子は、以下の関連ファイルを参照ください。

関連ファイル

メッセージ

北米型(ER型)救急の必要性は認知され、欧州のみならず、韓国、オーストラリア 等でも導入されています。日本の救急医療は目覚しい発展を遂げましたが、救急システムの不完全性による悲劇は今も日々おこっています。救急医がまず患者を診療し必要であれば専門医を呼ぶシステムは振り分けのみ、という批判もありますが患者のニーズに対応した専門性が求められる領域です。日本専門医機構 専門医制度・24時間スタッフ救急医による指導の東京ベイ・浦安市川医療センターで一緒に働きませんか?


田中 駿
救急搬送される患者さんはみんな同じ入り口から入ってきます。しかし搬送される患者さんは、年齢も性別も、重症度も緊急度も、社会背景も、本当に様々です。それらすべての初療を行うことに面白さを感じる一方で、年次があがると自分の診療に疑問を抱く機会が増えました。
「今帰った患者さん、最終診断はなんだったのだろう?」「自分が提出した採血・画像検査は意味があるものだったのだろうか?」「頑張った蘇生処置、患者さん、患者さん家族は納得しているだろうか?(頑張ったのは自分だけ??)」そんなモヤモヤを解決してくれる研修病院が東京ベイ・浦安市川医療センターです。
当院の大きな特徴の一つに教育があります。毎週1回行われるカンファレンスではレクチャー、ケース、M&M、ジャーナルクラブ、内科・外科・ICUとの合同カンファ、英語のケースディスカッション、シミュレーション教育など様々な方法で最新のエビデンスに基づいた学習、各科とのコンセンサスを得ることができ、それをすぐに実臨床につなげることができます。入職当初は勉強の仕方も分からず、エビデンスという言葉をひどく毛嫌いしましたが、教育的な環境にさらされ、最新の情報の集め方、知識の整理の仕方が少しずつ身につくようになりました。ACPをはじめとした倫理カンファレンスや緩和ケアの教育も充実しており、急性期の診療から患者さんの価値観に寄り添うケアを常に意識できるようになりました。
また臨床のみならず、研究の教育にも力をいれています。救急集中治療科(救急外来部門)では、毎年救急医学会1人最低1演題を目標に、蘇生、外傷などの各研究チームに分かれリサーチを行っています。演題に関しては、各チームに1人ずつのメンターがおりサポート体制も充実しており、自身の臨床疑問を研究に結びつかせる助けとなります。また、日本国内のみならず、SAEMやAHAなどの国際学会に挑戦するものも複数おり、やる気次第では国際学会にチャレンジすることも可能です。
質の高い教育と、未来を応援してくれる指導医、志を同じくする同期のいる環境は幸せです。東京ベイで研修すれば救急医に必要な素養が必ず身に付きます。「ナニカアッタラマタジュシンシテクダサイネ」から脱却したいあなた、お勧めです。


茂野 綾美
「優しいヤブ医者になってはいけない。」東京ベイでの初日に、上級医から言われた言葉です。後期研修を開始して1年が経った今も、日々心に留めるよう心掛けている言葉でもあります。私が後期研修の場に東京ベイを選んだのは、「自分たちがやっていることは望ましいとされる標準からどれだけ近くて遠いのか」を客観的に知りたいと思ったからです。物事の帳尻を合わせることが得意な私は、「慣れだけで及第点を取れてしまうけれども、それ以上でもそれ以下でもない(=ともすれば手を抜きがちな)」自分自身に、強い危機感がありました。環境や仲間、患者さんとの関係性に甘えて、卒なくこなすことはできる。けれど、背伸びをして、視野を広くして、チャレンジし続ける環境に身を置かなければ、成長曲線は早晩平坦になってしまうだろうと思ったのです。そんな私の性格を見透かしたかのような冒頭の言葉は、緊張しながら初日を迎えた私の心にグサリと刺さったのでした。実際に東京ベイでの後期研修は、優秀で愉快な同期たちと切磋琢磨し、知識でも経験でも遥か先を行く先輩研修医たちの背中を追いかけ、救急医療を愛する上級医たちからの熱いフィードバックに溢れ、厳しくも大変充実しています。その特色は多くありますが、ここでは厳選して3点ご紹介します。

  1. 振り分けるだけで終わらない、平等な救急医療
    当院では、救急外来に滞在する患者の生命に対する責任と決定権を救急科の医師が持ち、診断・治療にあたります。340病床しかない当院が年間約1万台の救急車を受け入れられているのは、各科のバックアップがあるのはもちろん、救急科がひとつの診療科として機能しているためです。患者さんは老若男女、疾患や重症度に関わらずやって来ます。当然のことながら、どのような患者さんに対しても等しく接することを厳しく求められます。当たり前のことがいちばん難しく、この厳しさに育てられていると感じています。
  2. 仲間と切磋琢磨し、学び合う環境
    救急外来という限られた時間と空間で最善を尽くすため、知識のアップデートや手技の向上を目的としたカンファレンスを毎週行っています。疾患や症状に関することだけではなく、緩和医療や生命倫理といったテーマも扱われます。当科だけではなく、東京ベイには教育に熱心な上級医が多く、他科との合同カンファレンスも定期的に開催しています。また、後期研修医は毎年の学会発表や臨床研究に取り組むことを課題としています。日常診療の中で抱いた疑問を疑問のまま終わらせずに研究として取り組み、学会で発表し論文化できる環境が整っています。統計解析や論文執筆についても、イチからお腹いっぱいになるまでたっぷり指導を受けられます。海外学会や英文誌への投稿にもチャレンジすることができ、都度手厚い指導を受けることができます。
  3. いつでもどこでも、最高のパフォーマンスをする救急医
    当院での救急科後期研修の特色に、複数施設での研修機会があることが挙げられます。これは冒頭に申し上げたように、環境に甘えがちな私にとっては大きなチャレンジでもありました。慣習や独自ルールに縛られた医療をするのではなく、患者さんのために最善を尽くし、与えられた環境で(軋轢を生まずに)最高のパフォーマンスをすることの難しさを痛感します。いつでもどこでも、正しい医療を、正しく提供することができるよう、環境に甘えず自分に甘えず、努力し続けようと思います。

優しくてまともな医者になるためのチャンスが、東京ベイにはたくさんあります。今より一歩前に進むために、少し背伸びをして広い世界を見るために、一緒に挑戦したい方、お待ちしています。

お問い合わせ

各種医師研修プログラムについてのお問い合わせはメールにて受け付けております。下記宛にお問い合わせください。
東京ベイ・浦安市川医療センター
医師・研修管理室 担当 小野原
■ メールアドレス: tokyobay-kenshu-jimu[atmark]jadecom.info
※スパム対策の為 [atmark] を@に変えて送信して下さい。

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