耳が痛いを甘くみない!〜救急医がお届けする”耳寄り”情報〜

「耳が痛くなった!」と訴える患者さんは救急外来では珍しくありません。お子さんから大人まで様々な年齢層で起こりえます。
大きさは小さいですが、私たちの生活において重要な役割を担ってくれている耳に関する病気について解説します。

【耳ってどんな作りになっているの?耳が痛い時どこが病気になっているの?】

引用:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
URL: http://www.jibika.or.jp/citizens/daihyouteki/jika.html

耳は外耳(耳介/外耳道)・中耳(鼓膜/耳小骨)・内耳(三半規管/蝸牛)と三つに分けられます。
耳が痛い場合多くは外耳や中耳の病気で起こります。また、直接耳に原因がなくても、耳の周りの炎症が原因で耳の痛みとして感じることもあります。

【頻度の多い耳の病気とその対応法は?】

中耳炎:中耳(図のオレンジ)に膿がたまって炎症を起こす病気です。発熱や耳の痛みといった症状を認めます。耳管(耳と鼻を繋ぐ管)が乳幼児では未発達のため、汚い鼻水が流れ込んで発症することが多いです。
軽い症状の場合は鎮痛薬(アセトアミノフェンなど)で様子を見ますが、症状が強い場合は内服での抗菌薬が必要な場合もあります。中耳炎の炎症が波及し乳様突起炎という病気に発展した場合は、点滴での抗菌薬治療に加えて手術加療が必要になることがあるため注意が必要です。

外耳炎:耳と空気が直接接している外耳道(図の青色)の病気です。耳掃除や水泳などが原因で外耳道に傷がつくことが原因で感染症を引き起こすのがこの病気の特徴です。症状として耳痛や耳閉感、難聴を訴えることがあります。対応としては鎮痛薬で様子を見ることが多いです。

他には耳の中に異物(おもちゃや虫など)が入ることによっても耳痛の原因になることもあります。

【耳の病気は耳が原因とは限らない!?】

耳痛は、耳以外に原因があることもあります。中でも注意すべき致死的な病気といえば心筋梗塞が挙げられます。心筋梗塞とは心臓への血管の流れが悪くなり心臓の筋肉が壊死してしまう生命に関わる病気のことです。胸が痛くなることが典型的な症状ですが、胸以外の場所が痛くなる(関連痛・放散痛と呼ばれます)症状がでることがあります。その一つとして耳痛が出ることがあります。

その他にも耳が原因でないが耳痛をきたす他の病気として、皮膚にぶつぶつ(皮疹)が出る帯状疱疹、耳周囲の皮膚感染症である蜂巣炎などが挙げられます。

【まとめ】

今回、耳痛の原因になりうる病気をいくつか紹介しましたが、耳痛といってもたくさんの原因があります。 “耳が痛い”を過小評価せず、心配であれば是非医療機関にお問い合わせください。

【参考文献】

UpToDate:Evaluation of earache in children
ジェネラリストのための耳鼻咽喉科疾患の診かた

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