むちうち(頸部捻挫・外傷性頸部症候群)?寝違え?それとも危ない病気?〜「急に首が痛い」の初期対応をERドクターと一緒に考えよう〜

朝起きた際に「あれ、首が痛い。寝違えたかしら?」と思った経験のある方は多いはず。
今回は首の痛みと、外傷性頸部症候群についてお知らせします。

1.朝起きて「首が痛い」と思ったら

昨日の夜寝るまでは何ともなかったのに、今朝起きたら首が痛くて動かせない… 一般的に「寝違え」と呼ばれる状態は、首の捻挫です。筋肉の阻血(血液が十分に行き渡らないこと)や筋肉の疲労が原因となります。普段は行わない作業をしたり、同じ姿勢で過ごす時間が長かったりすると、こうした症状に繋がることがあります。特に就寝中に生じる場合には、飲酒後や疲れた後の睡眠で寝返りの頻度が減っていたり、不自然な姿勢で就眠してしまったりすることが原因となります。

多くの場合は痛みがある間、無理をせずになるべく痛くない姿勢で過ごすことで徐々に改善していきます。数日経っても痛みが治らない場合や、手が痺れる症状がある場合には、病院を受診するようにしてください。

2. 事故や怪我の後に「首が痛い」と思ったら

交通事故や転倒での衝撃で、直後は何ともなかったのに後から首が痛くなってくる、1ヶ月以上経っても首の痛みが良くならない、ということがあります。これは「外傷性頸部症候群」といい「むちうち」とも呼ばれます。事故や転倒などで首に捻挫を生じた後、長期間に渡って痛みが続きます。頸部痛だけではなく頭痛や肩こり、めまいや耳鳴りを伴うこともあります。これは、首を安静にする期間が長すぎることが原因となります。

ただ交通事故や転倒した後に手足が動かしにくい症状やしびれる症状がある場合には首の骨の骨折や脱臼がある可能性があり直ちに病院を受診しましょう。外傷性頚部症候群であれば痛くない範囲で少しずつ首を動かすようにしていきましょう。不必要な固定具(ネックカラーなど)を長期間装用することで首の痛みが長引くことがありますので注意が必要です。

3.その他の「首が痛い」の可能性〜頻度は少ないけど中には危険な病気も〜

上に紹介した以外にも頚部が痛くなる病気は多々あります。稀ではありますが、くも膜下出血や急性心筋梗塞という恐ろしい病気も頸部に痛みが広がる場合があります。突然に起こった痛みだったり人生で最大の痛みだったり、胸部を押し付けられるような痛みを伴う場合は緊急性があるかもしれません。

また脳への血流を送る頸動脈という大事な血管が裂ける「頸動脈解離」や脊髄付近に血液の塊が出現し脊髄に障害をきたす「脊椎硬膜外血腫」という疾患もあります。これらの病気の場合は腕や足が動きにくい(麻痺)など脳卒中のような症状が出現します。(脳卒中については過去記事も是非ご覧ください。https://tokyobay-mc.jp/emergency_blog/web10_56/)また発熱を伴う場合には、髄膜炎や脊椎硬膜外膿瘍などの病気も考えられます。

「首が痛い」と思ったら、その原因を探し、適切に対処することが必要です。
お困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

参考:日本整形外科学会

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