この腹痛、やばいの?急いで病院に行くべきなの?〜ERドクターと考える危ない腹痛の見分け方〜

【そもそも腹痛が起きる原因って?】

お腹が痛くなる時、何が原因で痛くなるのでしょうか?
我々が痛みの原因を考える時に痛い場所にある臓器を元に考えることがあります。例えば、胸が痛い時には胸郭(胸のスペース)の中にある肺と心臓と食道と血管および、胸郭を作り上げている胸の皮膚や筋肉、骨に原因がないかと考えます。
しかし、お腹のスペース内(腹腔)には表1のようにもっと多くの臓器が格納されています。もちろん腹腔を構成している皮膚や筋肉、背骨なども腹痛の原因になります。

表1:腹腔内にある臓器

ご覧いただいたように数が多く全てを具に評価することが難しいので、原因を特定するためにも痛みの発症の状況や変化などが大事になってきます。

【危ない腹痛って?~突然発症、これまでにないほど痛い、どんどん悪くなる~】

急いで救急外来を受診しなければいけないような危ない腹痛の一例は
○テレビを見ていた、ソファに座っていたなど何かしていた時に痛みが突然出てきた場合
○咳をした時、歩いている時にお腹が響く感じがある場合
○お腹が痛くなったあとから吐いてしまう場合
○目が黄色くなって、発熱もしている場合
○生来健康だけど6時間以上痛みが続いている場合
などが挙げられます。

また65歳以上、妊娠早期、心臓病・心房細動・弁膜症や糖尿病、腎不全、腹部大動脈瘤で通院している、免疫抑制剤(ステロイドやタクロリムスなど)を内服しているなどがあれば、重症化する可能性があるので受診のハードルを下げていただいた方がよいかもしれません。

【腹痛への検査】

救急外来で行う検査としては血液検査や尿検査、超音波検査、腹部CT検査があります。
血液検査
みぞおちあたりの腹痛の場合に胆道や膵臓の状態を確認したり、何かに感染や貧血がないかなど確認したりできます。
尿検査
妊娠可能な年齢の女性の腹痛の場合には妊娠反応検査を行うことがあります。
超音波検査
検査の目的は主に腹部大動脈瘤や胆嚢炎、虫垂炎がないかなど疑った際に行います。放射線の被曝もなく結果を確認しながら検査を行えるのが特徴です。
腹部CT検査
腹痛で救急外来を受診された2/3ほどの方が腹部CTで診断のつくものだと言われています。ただ腹痛があれば必ずしも撮影する必要はなく、必要な病気が疑われた際に検査を行います。

【まとめ】

お腹が痛くなる原因は多岐にわたりますのでお話を伺わせていただきながら、診察や検査、治療を行なってまいります。
また腹痛には程度も色々ですので受診するかどうか迷うこともあるとは思います。その際には千葉県救急安心電話相談#7009(小児は#8000)への相談をされるのも判断の一助になると思いますので是非ともご検討ください。

【参考文献】

UpToDate:Evaluation of the adult with abdominal pain
UpToDate:Evaluation of the adult with abdominal pain in the emergency department
ブラッシュアップ急性腹症(第2版)
ジェネラリストのための内科診断リファレンス

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