皆様こんにちは、東京ベイ救急科ERです。徐々に春が近づいてまいりましたが、皆様の体調はいかがでしょうか?今日は「突然の頭の痛み」に関して、お話をしたいと思います。「頭の痛み」、いわゆる頭痛ですが、一般的によく知られているものや、命に関わるような危険なもの、また頭以外の部位が関連しているものなど、「頭の痛み」の原因は多岐にわたります。

○ 「頭の痛み」〜その痛みはどこから?〜

まず「頭の痛み」の原因についてお話します。「頭の痛み」の原因は、まず頭か、または眼・耳・皮膚など頭に近い部分かで大きく分かれます。頭に近い部分の痛みには、以下のような疾患があり、これらは詳細な病歴の聴取と診察で特定していくことになります。

  • 緑内障発作=眼の病気:眼の奥が痛い、眼が見えにくいなどの症状があります。
  • 副鼻腔炎=鼻の病気:鼻つまりでやや匂いを伴った鼻汁が出ます。
  • 帯状疱疹=皮膚の病気:ビリビリするといった痛みを片側の皮膚に感じます。
  • 側頭動脈炎=血管の病気:両側のこめかみの痛みや眼の見えにくさ、ものを噛んだ時に顎の痛みを感じます。
  • 一酸化中毒=環境の病気、冬場に多くストーブなどの不完全燃焼が原因となります。周囲の人間も同時に頭痛を感じるのが特徴です。

○ 頭痛の種類と危険なサイン

では次に、頭が原因の頭痛に関してお話していきます。皆様の中にも月に数回、疲れた時に頭痛を感じる方もいらっしゃると思います。(いわゆる片頭痛です。)
実は「頭痛」という病気も大きく2種類に分けられます。片頭痛に代表される頭痛自体が病気の一次性頭痛と、クモ膜下出血を代表とする、原因疾患で頭痛が引き起こされている二次性頭痛です。
この中で特に大切なのは、命に関わる場合が多い二次性頭痛です。下に二次性頭痛を疑うサインを示します。

✔︎ 突然の頭痛:数秒〜1分から数分程度で頭痛が最大限痛くなる頭痛
✔︎ 今まで経験したことがない頭痛
✔︎ いつもと様子が異なる頭痛:普段の頭痛とは違う痛み方を指します
✔︎ 頻度と程度が増していく頭痛:時間と共に悪くなる頭痛を指します
✔︎ 50歳以上で初めて認めた頭痛
✔︎ 麻痺や異常な感覚など頭痛以外の神経症状を伴う頭痛
✔︎ 癌や免疫抑制剤などを使用している方の頭痛
✔︎ 発熱、髄膜刺激症状(首が痛いなど)を伴う頭痛:髄膜炎が疑われます

このような症状がある場合、頭部CTやその他検査で原因を特定する必要があります。また日常的に頭痛(片頭痛など)をお持ちの方でも、その痛み方(性質)や痛みの回数(頻度)が時間と共に増加している場合は頭部CTを含めた精査を行った方が良い場合があります。一方で、片頭痛などの一次性頭痛が強く考えられる場合は、鎮痛剤などで頭痛を軽減すると共に、頭痛外来などへご紹介させて頂きます。

いかかでしょうか?「頭の痛み」であってもその原因は多岐にわたります。当センターでは命に関わる二次性頭痛を見落とさぬ様に、患者さん一人一人からよくお話を伺い、しっかりと診察をさせて頂くと共に、一次性頭痛の場合は日常生活での注意点や鎮痛剤の使い方、今後の頭痛外来の受診などをご提示させて頂きます。

当センターでは24時間356日体制で受診可能となっております。また可能な限り御紹介を承っております。皆様がお困りの際はいつでもどこからでもご相談をお待ちしております。

◆  東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科(救急外来部門)

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