皆様こんにちは。東京ベイERです。まだまだ寒さのきびしい時期ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?さて今日は鼻出血に関してお話させて頂きます。いわゆる鼻血ですが、皆様もこれまでに鼻血を経験されたことはないでしょうか?
鼻出血が起こりやすい人とその原因
どのような人に鼻出血は起こりやすいでしょうか?実は鼻出血は小さなお子様や高齢の方に特に起こりやすいとされています。小さなお子様の場合は、自分で鼻をいじってしまうことで起こることが多いです。また成人の方での慢性鼻炎が原因となる場合もあります。
一方、高齢の方でも鼻出血はよく見られる疾患であり、その原因は様々です。時に高齢の方が鼻出血を起こした場合、「血圧と関係がありますか?」と質問されることがあります。高齢の方の中には、高血圧症でお薬を内服されている方もおり、鼻出血を起こした場合、血圧との関連が心配になると思います。結論から言えば、一定の関連性は言われていますが高血圧症が鼻出血の原因となるかどうかはわかっていません。大切なことは鼻出血を起こした場合でも心配せずに、冷静に対処することです。
鼻出血が出た時に自宅でできること
鼻出血が出た場合、すぐに病院へ向かった方が良いのでしょうか?実は正しい方法であれば、自宅でも鼻出血を止められることが多いです。すぐに自宅でできる鼻出血の止め方をお伝えします。
1.まず落ち着いて椅子に座る
2.座った状態でやや前屈姿勢(少しお辞儀をする程度)をとる
3.両側の鼻の付け根(鼻翼と言います)を強く押さえる
4.この状態で15分間、押さえ続ける
5.口の中に垂れてきた血液は口から吐き出す
この方法のポイントは押さえ続けることです。15分間は指を離さず押さえ続けてください。もし鼻出血が止まれば、病院へ行く必要はありません。しばらくして再度出血してまった場合は、もう一度15分間押さえてみましょう。
鼻出血で病院を受診した方が良い場合
では、どんな時に病院受診が勧められるでしょうか?まずは先に書いた方法で自宅での止血が困難な場合です。この場合は病院受診し、他の方法で止血を試みる必要があります。
次に、血液が固まりにくくなるお薬を内服されている方は受診をお勧めします。不整脈やその他の治療で、血液が固まりにくくなるお薬(抗凝固薬または抗血小板剤という種類の薬です)を内服している場合、鼻出血はよく見られます。圧迫で止血できることもありますが、圧迫のみでは止血が困難な場合もあり病院への受診をお勧めします。通常は病院で止血できることが多く、心配はありません。また薬の内服を中止する必要も少なく、反対に内服を止めると思わぬ副作用(脳梗塞や血栓症)が起こる場合もありますので必ず医療機関にご相談ください。
病院ではどうやって止める?
最後に、病院での止血の方法についてお話します。鼻出血の場合、通常であれば病院でも圧迫での止血を試みます。しかしながら、止血できなかった場合はまず鼻腔のどこから出血しているかを確認します。鼻出血の場所は、大きく分けて、前方か後方かの2箇所です。
前方からの出血の場合、前鼻腔パッキングという方法で止血を試みることが多いです。これは止血剤を含んだガーゼを鼻腔の中に詰めて止血を試みる方法です。大抵の場合は、鼻腔にガーゼを留置した状態で翌日に耳鼻科受診をお願いしています。これは止血の確認と、止血できなかった場合はさらに焼却術で止血を試みるためです。
一方、後方からの出血の場合は前方と比較して止血が難しい場合があり、専用の器具を用いて止血を試みた後、すぐに耳鼻科への相談が必要になる場合が多いです。当センターでは救急医が周辺の耳鼻科と連携を取りながら専門科診療での止血ができるように対応致します。
以上のように鼻出血は自宅でも止血できることが多い疾患です。ただし、場合によっては病院受診が必要であり、専門的な対応が必要になる場合があります。当センターERでは24時間体制で救急医が適切な対応を取れる体制を整えております。皆様がお困りの際はいつでもご相談下さい。