より良い救急医療を提供するために~職種間でのミーティング~

みなさま、あけましておめでとうございます。
東京ベイ・浦安市川医療センター救急外来部門です。
2018年も、患者さん中心の医療を提供できるよう励んでいきたいと思います。
よろしくお願いします。

毎回、当部門では症状に焦点を当てて、気をつける症状や患者さんに知っておいて欲しい情報を書いてきましたが、今回は少し趣向を変えて、部門での取り組みについて書いてみたいと思います。当部門では、主に医師と看護師が患者さんの診療に当たっていますが、レントゲンなどの画像診断をする際には技師さんにお願いしたり、薬剤が必要な時には薬剤師さんに調剤をお願いしたり、また専門性の高い患者さんがいた場合には循環器内科や脳外科などの他科の専門医に紹介したり、その後各病棟の看護師さんへ引き継ぎをしたりするため、色々な部門との連携があります。

よって、部門間の関係がスムーズである必要があるため、我々は医師と看護師で毎回の勤務後に10分程度の振り返りを行い、当日の勤務中でのコミュニケーションの間違いや、今後改善できる点がないかを話す機会を設けています。また、放射線部、薬剤部といった他部門を加えた振り返りも月1回行っています。この話し合いにより、日々の診療や時間管理が改善していきます。

具体的にどのようなことについて話しているかというと、例えば救急車がたくさん来院した時にどのようにベッドをうまく回したらよかったか?などです。当センターには、たくさんの救急車が来院されるため、救急室内のベッドが埋まってしまうことも珍しくありません。しかし、患者さんは病気で苦しんでやってくるため、待ってはくれません。そこで少しでも多くの患者さんをスムーズに診察し、より多くの患者さんを診療し痛みをとってあげられるように日々話し、あーでもないこーでもないといった話が行われます。

当部門では、医師も看護師も分け隔てなく意見を言い合います。医師が偉そうにしたり、看護師さんの権力が強くなりすぎないように気を配ったことで、皆が自分の考えを述べられるようになりました。これも、患者さん中心という共通理念があるからであると考えています。

ここから生まれた取り組みもたくさんあります。例えば、当部門ではスタッフしか見えない場所に大きなホワイトボードがあり、そこで全員が患者さんの情報を共有できるようになっています。これによって、シフト中の全員が自分の受け持ちでない患者さんに対しても対応できるようになります。

その他、ホワイトボードの周りにもたくさんの工夫がされております。そのほとんどは、この振り返りから生まれたものであります。生産性の良い工場が生産性向上のために、作業員からアイディアを募集し、採用することと似ているかもしれません。

今回は、医療とはまた違った側面から書いてみましたが、みなさまの職場でも応用できるかもしれません。
今後も、我々は患者さんのために愚直に励みたいと思います。

◆  東京ベイ・浦安市川医療センター 救急集中治療科(救急外来部門)

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