心エコー図検査
心エコー図検査とは、超音波を利用することで心臓の形態や機能を評価する画像診断法です。即時に心臓評価が可能なため、現在は循環器診療において欠かすことのできない検査法となっています。当センターの心エコー図検査室は、経胸壁心エコー図検査をはじめ各種心エコー図検査を熟知した複数の専門医師および専門技師が繰り返し検査を評価するため、常に質の高い心エコー図検査を提供することができます。
心エコー図検査とは、超音波を利用することで心臓の形態や機能を評価する画像診断法です。即時に心臓評価が可能なため、現在は循環器診療において欠かすことのできない検査法となっています。当センターの心エコー図検査室は、経胸壁心エコー図検査をはじめ各種心エコー図検査を熟知した複数の専門医師および専門技師が繰り返し検査を評価するため、常に質の高い心エコー図検査を提供することができます。
● 経胸壁心エコー図検査について
経胸壁心エコー図は、超音波探触子を胸壁にあてて無侵襲で心臓の形態と動きを観察することができます。基本的な評価として、心臓の断層像であるBモード法と、心臓内の血流を評価するドプラ法を用います。ドプラ法では血流の方向性をカラー表示し、目的の部位における血流速度や血流方向を調べることがでます。Bモードにより形態評価を、ドプラ-法により狭窄した弁口面積や逆流血液量を推定し機能評価をすることができます。
● 経胸壁心エコー図検査の適応
高血圧、虚血性心疾患、不整脈、心臓弁膜症、心不全、肺血栓塞栓症、心筋症、大動脈疾患、その他循環器疾患一般
● 使用機器
iE33, Philips Healthcare
Vivid E9, GEヘルスケアジャパン
CX50, Philips Healthcare
● 経食道心エコー図検査について
経食道心エコー図検査は、胃カメラのように超音波探触子(プローベ)を口から挿入し、食道および胃から(胸壁の反対側から)心臓の形態と動きを観察することができます。経胸壁心エコー図検査で肺や骨が障害となって見えにくい場合でも、食道内からの検査により肺や骨の障害なく心臓を評価することが可能です。ただし、プローベを飲み込む必要がありますので、喉の表面麻酔と鎮静剤が必要となります。
当検査は経胸壁心エコー図検査よりも詳細な形態評価が可能である為、心臓疾患の治療方針の決定や術前評価、さらに脳梗塞の原因となる血栓評価等において非常に重要な検査となります。特に、当センターでの経食道心エコー図検査および3次元画像診断では、国内で指導的立場の専門医師が常に検査を施行しているため、安全かつ短時間に正確で質の高い診断をくだすことができます(2013年度 経食道心エコー図検査件数 265例に対し重篤な合併症 0例)。
● 検査のまえに
患者さんやご家族が検査の内容を十分に御理解していただき、また、検査へご協力していただくことが最も重要なポイントです。我々もなぜこの検査が必要なのか、この検査で何がわかるのかを十分にご理解いただけるようにわかりやすい説明を心掛けております。また、安全に検査を施行するために以下のような同意書をとらせていただいております。
● 当センターでの検査のながれ
(1) お名前やアレルギー有無の確認
安全に検査を実施するために確認させていただきます。
(2) 喉の表面麻酔の開始
プローベ挿入を円滑にするため、喉の麻酔をいたします。
(3) 鎮静剤の使用
可能な限り検査の苦痛を取り除くために、お薬を使用して軽く眠ってもらった状態で検査をすすめます。
(4)プローベ挿入・抜去
経験豊富な経食道心エコー図検査の専門医師が、愛護的にプローベを挿入および操作いたしますのでどうぞご安心ください。当センターではプローベ挿入時間は平均約10分で、検査全体では約30分と短時間で終了します。鎮静剤を使用して軽く眠ってもらった状態で検査をすすめ、検査終了とともにすみやかにプローベを抜去いたします。
(5) 中央処置室への移動
検査終了後、中央処置室へ移動して頂いたのち30分程度休憩して頂き、安全な状態でご自宅へ帰れるようにいたします。
● 経食道心エコー図検査の注意点
検査では嘔吐や吐物による誤嚥を防ぐために、検査の6時間前からお食事や飲水ができません。安全かつ安心して検査を受けていただきたいと思っておりますので、もしお食事や飲水をされてしまった場合には検査を中止あるいは延期させていただく場合がございます。
また、検査では鎮静剤を使用しておりますので、ご自身の車運転で帰宅されないようにお願いしております。ご協力の程宜しくお願い致します。
● 経食道心エコー図検査の適応
心臓弁膜症、脳梗塞、不整脈(心房細動)、感染性心内膜炎、心房中隔血損症、心臓血管外科術中管理、術後評価
● 使用機器
iE33, Philips Healthcare
Vivid E9, GEヘルスケアジャパン
● 運動負荷心エコー図検査について
狭心症、心筋梗塞や弁膜症のための検査です。トレッドミルによる運動負荷の前後に経胸壁心エコー図検査を施行して、運動負荷による心機能への影響を判断することができます。運動選手でなくても、出来る範囲の運動で心臓の検査が可能です。
狭心症の検査では、心筋シンチグラフィー検査も同じ目的で使われています。しかし心筋シンチグラフィー検査では自己負担費用は外来検査では約4万円(3割負担時)です。一方、運動負荷心エコー図検査は、約5000円(3割負担時)の自己負担で心筋シンチグラフィー検査と同じ精度の診断をすることが出来ます。特に、当センターにおける運動負荷心エコー図検査件数は全国でもトップレベルの実績があり、さらに、同検査を熟知した専門医師および専門技師が検査・診断をしておりますので、常に安心して質の高い検査を受けて頂くことができます。
● 検査の方法
運動負荷心エコー図検査では、トレッドミルで通常の運動負荷を施行し、負荷前にとった安静時心エコー図と運動負荷直後の心エコー図を比較します。運動負荷中は、血圧・脈拍を連続的に医師がモニターし、血行動態を十分に把握して患者さんが安全に検査を受けられるようにサポートいたします。
● 運動負荷心エコー図検査の注意点
運動の際には裸足でトレッドミル運動をしていただきます。手前のバーにしっかりおつかまり頂き、転倒がないように我々も十分にサポートいたします。
また、運動負荷で誘発された壁運動異常は1~2分というごく短時間で回復するため、可能な限り短時間で画像を取り込む必要があります。検査技師がお声かけしながら検査をすすめますので、ご安心して検査をお受けください。
● 運動負荷心エコー図検査の適応
虚血性心疾患、心臓弁膜症、肥大型心筋症等
● 使用機器
iE33, Philips Healthcare
Vivid E9, GEヘルスケアジャパン
トレッドミル:Quinton Q stress、Cardiac Science TM55
(文責:柴山謙太郎、渡辺弘之)
簡便に虚血性心疾患や弁膜症の診断や治療効果を評価することができます。
ハートセンターの詳細ページはこちらからご覧ください。