メイヨークリニック留学中の加藤奈穂子先生の論文がCirculationにpublishされました!(Circulation. 2019;140:1251–1260)

大動脈弁兼僧帽弁狭窄症の血行動態と予後 (Circulation. 2019;140:1251–1260)

論文要約
高度大動脈弁狭窄症患者の約50%に僧帽弁輪石灰化が存在すると報告されており、僧帽弁狭窄症を引き起こすことがあります。この連合弁膜症では、二つの弁がお互いの血行動態に影響を及ぼすため弁膜症の重症度評価が難しくなります。この論文では、大動脈弁狭窄症のみを治療した後の僧帽弁狭窄症の血行動態の変化と死亡率を調べました。大動脈弁置換術後に僧帽弁狭窄症が半数の患者で改善しました。術前の体表面積当たりの心拍出量の低下が予測因子でした。一方で、僧帽弁狭窄症が改善しない患者がいます(真性僧帽弁狭窄症)。術前の僧帽弁口面積が1.5㎝2以下、石灰化が僧帽弁輪から全体に広っている症例、心拡張期に僧帽弁輪が拡大しない症例が真性僧帽弁狭窄症の可能性が高いことがわかりました。この真性僧帽弁狭窄症は、単独の高度大動脈弁狭窄症患者に比べ死亡率が高く、僧帽弁狭窄症に対して注意深いフォローや治療が必要になる可能性があります。


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